ポータル依存への違和感から始まった地域密着で長年事業を続けてきた同社。主要ポータルサイトを活用し、一定の集客基盤は確立していました。しかし、代表の中にはこんな疑問がありました。「このままずっとポータル依存で本当に大丈夫なのか?」ポータルは閲覧数も多く、反響も取れる。しかし——広告費を増やせば反響は増えるだが成約数は比例しない反響後に連絡がつくのは約4割程度。温度感の低い問い合わせも一定数含まれる「広告費と反響は比例する。でも、成約は比例しない。」実際、広告費を大幅に削減した時期もありましたが、成約数は大きく落ちなかったといいます。「じゃあ、あれだけかけていた意味は何だったのか。」そこで必要だと感じたのが、“ポータル以外の集客導線”でした。ポータルに載せられない物件があるという現実新築戸建市場では、大手建売会社が自社販売会社を立ち上げるケースが増加。仲介会社が関与できない物件も出てきています。さらに、仮に取り扱い可能でもポータル掲載不可というケースも存在。「SUUMO以外なら掲載可」という条件も多く、自社ホームページだけでは拡散力が弱い。そこで見えてきたのが、「SNSなら掲載できる」という可能性でした。ポータルの“隙間”を埋める手段として、Instagram活用を検討し始めます。10年後の顧客はどこにいるのか- 10年後の購買層を見据えた判断現在の住宅購入世代は30〜40代。しかし10年後の中心層は、今の20代です。「若い世代はGoogle検索よりもSNSで検索する。」もしそうであれば、将来もポータルが今のまま強いとは限らない。「10年後、ポータルサイトはこんなに元気なのか…?このまま生き続けるのか。」今の20代が10年後購買層となった時に一番信用性のある媒体ってなんなのかについて考えた。そうSNSなのである。「だからそこに広告を出す。手を出しておかないと 10年後大丈夫かなと考えた。」今すぐ爆発的成果を出すためではなく、10年後に備える戦略投資。それがInstagram導入の本質でした。過去のSNS代行失敗があったからこそ実は、以前にSNS代行会社へ依頼した経験もあったと言います。しかし、不動産特有の広告規制や商習慣を理解していない運用により、表現ミス情報の不正確さ社内チェック負担増大結果的に半年ほどで終了。「SNSが悪いのではなく、不動産を理解していないことが問題だった。間違った情報を出されたり、こちらのチェック負担が大きくなってしまって、半年ほどでやめました。」と過去の苦い経験を思い出しながら語る。その経験から、不動産業界を理解していることが絶対条件となりました。「失敗に終わってしまったっていう経験があったので、不動産を理解しているかどうかは絶対条件でした。」LightDoor導入の決め手最終的な決め手は、不動産ポータルサイト業界出身でポータル構造を熟知している代表・澤井の存在。「ポータルの“隙間”にどうSNSを活用するか」この視点を持っていることが安心材料になりました。 「正直に言うと、澤井さんの存在が大きいです。SUUMO出身で、不動産のことも、ポータルの仕組みも理解している。「この人なら大丈夫そうだ」と思えたのが決め手でした。」立ち上げは“ほぼ任せる”形でスタート導入後の立ち上げはスムーズに進行。素材提供物件選定撮影許可取得社内では各営業チームから担当者を選出。投稿設計や運用はレクチャーを受けながら進め、定期投稿体制を確立しました。当初は新築仲介・自社分譲物件の掲載からスタート。その後、売却や建築関連など発信テーマも拡大しています。導入後の成果Instagram運用開始後、徐々に変化が生まれます。① フォロワー増加約200人 → 約1,100人超へ成長② 会員登録増加自社ホームページでの会員登録数は、コロナ明け以降やや減少傾向にありました。しかしInstagram導入後、年間会員登録数は220件超へ回復。会員登録の成約率は約10%。「実需につながる数字としてもインパクトのある成果です。」感度の高い顧客接点として機能しています。③ 自社HPへの訪問者数の増加一方で、自社のHPには全くと言っていいほど予算をかけていないという。しかし、SNSを始めたことにより、自社のHPへの訪問者数も増加。SNS広告でよく目にする自社のロゴがなんとなく刷り込まれて訪れてくれているのではないかと担当者は語る。④ “認知目的”のはずが直接反響も発生当初は交通広告の代替的な「認知施策」としての位置づけでしたが、 実際にInstagram経由での問い合わせ・来店も数件ではあるものの発生している。ストーリーズに毎回反応する“ファン層”も生まれています。「投稿後には毎回確実にフォロワーも増えてますし、知名度が上がっているなって思っています。嬉しいですね。最初の頃って直接的に反響を取るっていうのも正直難しいと思っていたので。」と、以前は苦戦していた「直接反響の獲得」の成果に驚きと喜びを語ります。 駅看板や電車内広告よりも、人が見ているのはスマートフォン。「自然な流れでそこに出していくべき」そう考えて始めた施策でしたが、実際にはInstagram経由の直接反響も発生。想定以上の成果が生まれています。⑤採用への波及効果ハウスクリーニングのアルバイト募集をInstagramに掲載し、SNS経由で応募が発生。「実はハウスクリーニングのアルバイト応募もInstagram経由で来ました。社内でも「そんな募集してたの?」というレベルで(笑)。」求人媒体は高額ですが、SNSなら獲得単価はかなり安い。求職者からも質問DMが届いたりと、気軽に質問から入れることから応募ハードルが低いのも求人媒体にはない、SNSならではの強みだと語ります。求人媒体に頼らない採用導線としても機能し始めています。社内に生まれた“発信という武器”Instagram活用により、自社分譲住宅の発信現地販売会の告知地域情報の発信「SNSをどう活用するか」という視点が社内に生まれました。「武器を一つ手に入れた感覚があります。」この武器の攻撃力を、今後さらに高めていきたいと語ります。 正直、紹介したくない最後に、LightDoorをどのような会社におすすめしたいかを伺いました。「正直、紹介したくないですね(笑)。うまくいったら競合になってしまうので。同業はイヤですね。」冗談交じりではありますが、それだけ競争優位性を感じているという本音。“やった会社から強くなる”そんな実感がにじむコメントでした。満足度「期待を込めて、9です。かなり満足しています。ただ満点にすると伸びしろがなくなっちゃうので(笑)。」高い評価とともに、今後への期待も込められています。ポータル依存からの分散戦略へInstagram活用は、ポータル依存からの脱却将来世代への布石成約につながる新チャネル構築採用ブランディング強化社内意識改革Instagramは単なるSNS運用ではなく、経営戦略の一手として機能しています。