集客に困っていたわけではない。ただ「魅力を伝えきれていない」という課題同社は土地活用・建築・賃貸管理を中心に事業を展開する不動産会社です。会社の理念として掲げているのは「住まいを通じて一生のお付き合い」という考え方。住まいを通して、入居者やオーナーの暮らしを長く支えていくことを大切にしています。「正直、集客にめちゃくちゃ困っていたわけではないんです」同社の管理事業部では、主に賃貸物件の管理業務を担当しています。その中で重要な指標となるのは・管理戸数・空室率の2つです。仮に一部の物件が長期間空室になっていたとしても、全体の稼働率が安定していれば、数字として大きな問題になることはありません。また、同社の物件情報は”仲介会社を通じて入居者に届けられる”という流れが基本です。そのため、「集客が本当に厳しいかと言われると、そこまで大きな問題ではなかった」と振り返ります。しかし一方で、別の課題がありました。それは「物件の魅力が十分に伝わっていないのではないか」という点です。同社では近年、愛知県の地域特性を活かしたガレージハウス事業にも力を入れています。製造業が多く車文化の強い地域であることから、・車好き・バイク好きといったニーズに応える賃貸住宅として開発を進めてきました。しかし、そうした特徴的な物件ほど賃貸ポータルサイトでは魅力が伝わりにくいという課題がありました。一般的な賃貸ポータルでは・家賃・駅距離・設備といった条件が中心となり、同じフォーマットの情報として並びます。ガレージハウスのような物件でも検索カテゴリは「駐車場付き」にまとめられてしまいます。しかし本来は「駅から少し遠いけれど、その分ガレージが広い」「家賃は高いが、趣味の時間を楽しめる空間がある」といった独自の魅力がある物件も少なくありません。「ポータルでは見えない価値がある物件も多いんです」本来ターゲットとなる車・バイク好きのユーザーに物件情報が届きにくいという状況がありました。こうした“物件の価値をどう伝えるか”という課題が、同社がSNS活用を検討するきっかけとなりました。導入前の社内状況 SNSに積極的ではなかった企業文化現在はSNS活用を進めている同社ですが、実はこれまでSNSを積極的に活用してきた企業ではありませんでした。その理由の一つが、社内の文化にあります。同社は創業約50年の企業。長年の歴史の中で、仕事に対して「1mm、1秒、1円にこだわる」という考え方が根付いています。無駄を省き、仕事の質を徹底的に追求する。いわば質実剛健な企業文化です。そのため、これまでSNSには・若者向けのもの・曖昧なもの・ビジネスとは少し距離のあるものという印象があり、社内でも積極的に取り組む機会はありませんでした。実際に当時の状況について、同氏は次のように振り返ります。「時間がなかったというより、社内の文化ですね」同社では「1mm、1秒、1円にこだわる」という言葉があるほど、無駄を排除し仕事を突き詰める文化があります。そのためSNSについても、「若者のもの」「ビジネスとは少し距離のあるもの」というイメージが強く、「SNSを頑張ろう」という空気自体が、社内にあまりなかったといいます。こうした背景もあり、同社ではこれまでSNSを積極的に活用する機会がありませんでした。SNS導入のきっかけ物件のストーリーを伝える新しい発信手段として同社では以前から、自社ホームページで物件の魅力を伝える記事コンテンツを発信していました。いわば“物件の取材記事”のような形で、物件の背景や開発ストーリーを紹介する取り組みです。しかしそこで新たな課題が生まれます。「ホームページに人を集めることが難しい」広告費をかければアクセスは増えますが、それでは本来の目的とは異なります。そこで検討されたのがSNSの活用でした。SNSであれば・物件の魅力・開発の背景・暮らしのイメージといった情報を、より身近な形で発信できます。さらに、単なる広告ではなくユーザーとのコミュニケーションを生み出せる可能性がありました。こうして同社では、Instagramを中心としたSNS運用をスタートすることになりました。「フォロワー数」ではなく“コミュニケーション”を重視実は同社では、LightDoor導入前に別のSNS支援会社と取り組んでいた時期がありました。当時の支援内容は、いわゆるSNS運用代行に近いもので、主に・物件の内覧動画の制作・投稿運用・フォロワー増加といった施策が中心でした。不動産会社のSNSでは、物件の内覧動画を投稿するスタイルが多く、一定の成果を出しやすい手法でもあります。しかし同社がSNSに求めていたのは、単なる物件紹介ではありませんでした。「僕たちはSNSを広告の延長として使うつもりはなかったんです」と同氏は話します。同社が目指していたのは、・ユーザーとのコミュニケーション・物件や暮らしの価値を伝える発信・ユーザーからの質問や反応を得られる関係づくりでした。しかし当時の運用では・再生回数・いいね数・フォロワー数といったSNSの指標そのものを伸ばすことが目的になってしまっていたといいます。もちろんこれらの数字は重要な指標ではありますが、「フォロワー数やいいねは“指標”であって、僕らにとっての“結論”ではない」と同氏は語ります。SNSの目的は自社の考えや価値観を伝え、ユーザーと関係を作ることであり、数字だけを追いかける運用には違和感があったそうです。LightDoorを選んだ理由「やりたいこと」と「今やるべきこと」を整理してくれたLightDoorとの取り組みを始めた当初は、まず短期契約で運用をスタートしました。その中で同社が感じたのは、「やりたいこと」と「今やるべきこと」を分けて考えてくれるパートナーだったという点です。同氏は次のように話します。「やりたいことを否定するのではなく、今できることと将来的にやりたいことを整理してアドバイスしてくれました」また、「一方的にやり方を押し付けるのではなく、壁打ち相手のように議論できるパートナーだった」という点も大きかったといいます。SNS運用では、単純にフォロワーを増やすだけでなく・企業としての方向性・ブランドの考え方・将来的なコミュニティ形成などを踏まえた戦略が重要になります。そうした点で、「やりたいこと」と「現実的な運用」を両立してくれる支援がLightDoorの特徴だったといいます。Instagramを起点に物件の魅力を発信LightDoor導入後、同社ではInstagram運用を本格的に開始しました。発信内容は主に・ガレージハウスの物件紹介・暮らしのイメージ・物件の魅力を伝える動画や写真などです。ポータルサイトでは伝えきれない「物件のストーリー」をSNS上で発信することを重視しました。SNSを単なる広告媒体としてではなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとして活用している点が特徴です。成果① フォロワー数は約4倍に成長運用開始当初、Instagramのフォロワーは約700人でした。現在は約2,800人まで増加し、およそ4倍の成長を実現しています。さらに注目すべきは、その増加ペースです。直近では、およそ半年で500人のフォロワーが増加するなど、現在も継続的に伸び続けています。単発的な”バズ”ではなく、安定してフォロワーを増やし続けている点も特徴です。成果② 検討前ユーザーとの接点が生まれたポータルサイトとSNSでは、接点となるユーザーのタイミングが異なります。ポータルサイトの場合「今すぐ物件を探している人」が中心です。一方、Instagramでは・いつか住んでみたい・こんな暮らしができたらいいといった”その手前のユーザー”=まだ物件を探す前のお客さんとのコミュニケーションが増えたというのも大きな変化だと語ります。今後の展望SNSを起点にコミュニティを形成同社が今後目指しているのは、SNSを活用したコミュニティづくりです。例えば・入居者同士のツーリング・地域のバイクショップとのイベントなど、車・バイク好きのコミュニティを広げていく取り組みを行いたいと同氏は語ります。「そういう活動があると、入居者も地域も車好きもバイク好きも、みんながWIN-WINになります」そうした活動の中で「ガレージハウスを探している」という話になったときに、「ユニホーさんに聞いてみよう」と思い出してもらえる存在になることを目指しています。LightDoorをおすすめしたい会社「やりたいこと」がある会社最後に、LightDoorをどのような会社におすすめしたいかを伺いました。「割とどの不動産会社でも良いと思います」SNS運用は今や多くの企業が取り組むマーケティング施策の一つであり、基本的には多くの不動産会社にとって有効な取り組みだといいます。その上で、特に相性が良いと感じるのは「やりたいことがある会社」だと話します。同氏は次のように語ります。「御社の良いところは、柔軟でクリエイティブなところだと思っています。ゴールから逆算して考えてくれるところですね」LightDoorの特徴として挙げられたのは・柔軟な対応力・クリエイティブな発想・ゴールから逆算した戦略設計という点です。SNS運用支援の中には「このやり方で運用します」というパッケージ型のサービスも多くあります。しかしLightDoorの場合はクライアントのやりたいことを聞きながらロードマップを作っていくというスタイルだったといいます。「“うちはこうやる会社です”ではなく、クライアントのやりたいことを聞いてロードマップを作ってくれる。そこが良いところですね」また同氏は、実際の打ち合わせを振り返りながらこう続けます。「僕も結構意見を出して、“じゃあこうじゃないですか” “ああじゃないですか”っていう、相互性のある打ち合わせをさせてもらいました」そのため、「なんとなくSNSをやりたい」という企業よりも、「これがやりたい」という思いがある会社の方が相性が良いのではないかと感じているそうです。「何かこれがやりたいんだよね、みたいな思いがある企業さんの方がいいんじゃないかなと思います」SNS運用を単なる代行ではなく、企業の方向性やビジョンを一緒に形にしていくパートナーとして取り組める会社にとって、LightDoorは特に相性の良い存在だといえそうです。SNSは“広告”ではなく“関係づくりのツール”今回の取り組みでは、Instagramを活用することで・物件のストーリー発信・検討初期層との接点創出・フォロワー増加といった成果が生まれました。ポータルサイトでは伝えきれない物件の価値や世界観を伝える手段として、SNSは新たな役割を担っています。同社では今後もSNS運用を継続しながら、コミュニティ形成やブランド認知の強化につなげていく予定です。